モデルナ社の新型コロナワクチンについて

参照元URL : https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=d4w_exkzJ3luxJ7lY

健康・医療

武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて

 武田/モデルナ社の新型コロナワクチンの有効性・安全性などに関する情報をお届けします。

特徴

ワクチンの種類

本剤はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンです。SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤になります。本剤を接種し、mRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。

接種対象者

本剤は18歳以上の方に接種を行います。

接種方法

通常は、三角筋(上腕の筋肉)に、1回0.5mLを筋肉注射という方法で接種します。

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接種回数と接種間隔

・1回目の接種後、通常、4週間の間隔で2回目の接種を受けてください。(接種後4週間を超えた場合は、できるだけ速やかに2回目の接種を受けてください。 )
・1回目に本ワクチンを接種した場合は、2回目も必ず本ワクチンの接種を受けてください。

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有効性について

 新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。
本ワクチンを受けた人は受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないということが分かっています。(発症予防効果は約94 %と報告されています。)
なお、臨床試験において、本ワクチンの接種で十分な免疫が確認されるのは、2回目の接種を受けてから14日以降です。現時点では感染予防効果は十分には明らかになっていません。ワクチン接種にかかわらず、適切な感染防止策を行う必要があります。

臨床試験の概要については、「さらに詳しい情報」をご覧ください。

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安全性について(7月8日更新)

 主な副反応は、注射した部分の痛み(※1)、頭痛、関節や筋肉の痛み、疲労、寒気、発熱等があります。
(※1)接種直後よりも接種翌日に痛みを感じる方が多いです。接種後1週間程度経ってから、痛みや腫れなどが起きることもあります。
まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがあります。
また、ごくまれではあるものの、ワクチン接種後に軽症の心筋炎や心膜炎が報告されています(※2)。接種後数日以内に胸痛、動悸、息切れ、むくみ等の症状が現れたら医療機関を受診してください。
(※2)1回目よりも2回目の接種の後に多く、若い方、特に男性に多い傾向が見られます。
なお、本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります。接種後に気になる症状を認めた場合は、接種医あるいはかかりつけ医に相談しましょう。
万が一、ワクチンの接種によって健康被害が生じた場合には、国によるサイト内リンク 予防接種健康被害救済制度がありますので、お住まいの各自治体にご相談ください。

臨床試験の概要については、「さらに詳しい情報」をご覧ください。

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接種を受けられない人、注意が必要な人

 下記にあてはまる方は、本ワクチンの接種ができない、または接種に注意が必要です。
当てはまるかどうかや、ワクチンを受けて良いか、ご不明な方は、その病気を診てもらっている主治医にご相談ください。
また、当てはまると思われる方は、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。

受けることが出来ない人

・明らかに発熱している人(※1)
・重い急性疾患にかかっている人
・本ワクチンの成分に対し重度の過敏症(※2)の既往歴のある人
・上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人
(※1)明らかな発熱とは通常37.5℃以上を指します。ただし、37.5℃を下回る場合も平時の体温を鑑みて発熱と判断される場合はこの限りではありません。
(※2)アナフィラキシーや、全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑わせる複数の症状。

 

注意が必要な人

・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
・過去に予防接種を受けて、接種後2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
・過去にけいれんを起こしたことがある人
・本ワクチンの成分(※)に対して、アレルギーが起こるおそれがある人

妊娠中、又は妊娠している可能性がある人、授乳されている人は、接種前の診察時に必ず医師へ伝えてください。

(※)本ワクチンの成分

▷有効成分
・CX-024414(ヒトの細胞膜に結合する働きを持つスパイクタンパク質の全長体をコードするmRNA)

▷添加物
・SM-102:ヘプタデカン-9-イル 8-((2-ヒドロキシエチル)(6-オキソ-6-(ウンデシルオキシ)ヘキシル)アミノ)オクタン酸エステル
・コレステロール
・DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン
・1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン(PEG2000-DMG)
・トロメタモール
・トロメタモール塩酸塩
・氷酢酸
・酢酸ナトリウム水和物
・精製白糖

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接種当日の注意事項

・接種前に、ご自宅で体温を測定し、明らかな発熱がある場合や体調が悪い場合などは、接種を控え、接種を受ける予定の施設にご連絡ください。
・ワクチンは、通常、三角筋(上腕の筋肉)に接種するため、肩の出しやすい服装でお越しください。
・接種を受けるための手続きや場所などについては、サイト内リンク 「接種についてのお知らせ」や「サイト内リンク コロナワクチンナビ」をご覧ください。

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接種を受けた後の注意事項

・本ワクチンの接種を受けた後、15分以上(過去にアナフィラキシーを含む重いアレルギー症状を起こしたことがある方や、気分が悪くなったり、失神等を起こしたりしたことがある方は30分以上)、接種を受けた施設でお待ちいただき、体調に異常を感じた場合には、速やかに医師へ連絡してください。(急に起こる副反応に対応できます。)
・注射した部分は清潔に保つようにし、接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部分はこすらないようにしてください。
・接種当日は、通常の生活は問題ありませんが、激しい運動や過度の飲酒等は控えてください。

※関連資料  リーフレット:PDF 【武田/モデルナ社】接種後の注意点

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さらに詳しい情報

有効性について(臨床試験の概要)

▷海外における臨床試験
海外(米国)において実施されました。ワクチンを接種する人とプラセボ(生理食塩水)を接種する人に分け、約28日間の間隔で2回接種した時、新型コロナウイルス感染症の発症がどの程度抑制されるかが比較されました。なお、発症の確認に当たっては、全身性の症状(38℃以上の発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、嗅覚及び味覚障害等)が2つ以上発現、又は、呼吸器系の徴候・症状(咳嗽、息切れ、呼吸困難等)が1つ以上もしくは臨床所見等で肺炎の確認があり、これらに加え、鼻咽頭ぬぐい液等を用いたPCR等の核酸増幅検査により陽性となった人を、新型コロナウイルス感染症が発症した人と定義されました。
約3万人の被験者を対象に、2回目の接種後14日以降の発症の有無が比較されました。その結果、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない被験者において、94.1%のワクチン有効率が確認されました。

▷国内における臨床試験
日本人の健康成人200人を対象に、ワクチンを接種する人とプラセボを接種する人に分け、約28日間の間隔で2回接種しました。その後、2回目の接種から28日後の、血清中の新型コロナウイルスに対するSタンパク質特異的抗体及び中和抗体の増加状況を確認しました。なお、Sタンパク質特異的抗体とは、コロナウイルスの表面に存在するスパイクタンパク質を特異的に認識する抗体、中和抗体とはウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体のことです。
2回目接種から28日後の、血清中のSタンパク質特異的抗体価(値が大きい程、Sタンパク質の受容体への結合を阻害する可能性が高いことを示します。)及び50%中和抗体価(値が大きい程、中和活性が高いことを示します。)は下記の通りであり、海外での臨床試験とは測定方法が異なるため直接比較は出来ないものの、日本人でも、それぞれの抗体価の上昇が確認され免疫原性が認められています。
発症予防効果が確認された海外での臨床試験と同様の傾向が見られたことや、複数の人種が組み入れられた海外試験において有効性が示されたことを踏まえ、日本人でも、同様にワクチンの有効性が期待できると考えられています。


(注釈:臨床試験の参加者200人のうち、一部の被験者は、事前に策定した治験実施計画書からの逸脱等の理由により、解析の対象から除外されています。)
(※)抗体価が定量下限値未満から定量下限以上へ変化、又は、ベースラインから4倍以上上昇した被験者の割合。

 

安全性について(臨床試験の概要)

▷海外における臨床試験
各回接種後7日目までの安全性を評価しました。主な有害事象の発現割合は下記の通りでした。
なお、有害事象とは、接種後に生じる好ましくない症状のことであり、接種との因果関係があるか分からない、もしくは直ちに判断できない事例のことです。

▷国内における臨床試験
各回接種後7日目までの安全性を評価しました。主な有害事象の発現割合は下記の通りでした。
なお、有害事象とは、接種後に生じる好ましくない症状のことであり、接種との因果関係があるか分からない、もしくは直ちに判断できない事例を含みます。

詳細(添付文書等)についてはこちらをご覧ください。(医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ)

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各国当局が公開している情報等