【管内情報】 【保健所健康危機管理事例H19】在宅治療が困難な認知症を伴う結核患者事例(京都府)

〔作成者〕京都府南丹保健所
〔発生年月日〕平成19年7月
〔概要〕認知症高齢者の結核事例。
二人暮らしの妻も軽度の認知障害があり、自宅での服薬の管理が困難と予想された。このため、服薬導入を目的に入院したが、病棟での異常行動が目立ち、退院を余儀なくされた。在宅での治療継続が困難視されたが、保健所、病院、介護事業者等が連携に努め、治療を完了した。地方では高齢化が進み、高齢者世帯、高齢者単独世帯が増加している。これに伴い、結核患者も高齢化し、認知症など処遇困難な事例が増加している。このような患者への適切な治療を行うため、地域の関係者の正しい理解と支援のもと、介護従事者や医療機関の緊密な連携が重要と認識された。
〔原因/端緒〕日頃より病院医師と病棟看護師と連携が密にとれており、情報共有、検討がしやすい状況であった。
別居の嫁の協力、介護関係者の理解、支援が十分に得られたこと、また、支援の中心となった小規模多機能型居宅介護の事業所がスタートしたばかりの新しい事業であり、利用登録者余裕があった
状況であったことなどが影響したと考えられる。
〔患者/死者/負傷者〕
〔症状/被害状況〕塵肺病歴あり。年1回の検診で、喀痰培養陽性(8ws)が判明し、N病院に紹介。認知障害があるため、確実な服薬管理を目的とし、入院治療を開始した。しかし、入院後、様々な認知症状が出現。トラブルが絶えず、入院継続が困難となった。親族の反対はあったが、保健所が介護保健サービスをコーディネイトし、ショートステイなどを利用しながら、在宅での治療完了に結びつけた。

公開日:2008年07月18日

カテゴリー: 結核