【管内情報】 【保健所健康危機管理事例H21】難病(ALS)患者の夫を妻が殺害した事件について(福島県県中保健所)

【保健所健康危機管理事例H21】

難病(ALS)患者の夫を妻が殺害した事件について

〔作成者〕
福島県県中保健所

〔発生年月日〕
2009/8/31~2009/8/31

〔概要〕
【2009年8月】自宅で難病で寝たきりだった夫の遺体とけがをした妻が発見され、妻はけがの治療後、殺人の容疑で逮捕された。
【2010年1月】裁判員裁判が行われた。妻は、「夫の介護に疲れ、将来を悲観し、夫を殺して自分も死のうと思った。」と供述。判決では、介護を受ける者の意志に反した犯行であることや社会的影響を考慮した等の理由により、懲役2年6か月の実刑判決が言い渡された。本事件により、在宅介護の大きな課題が浮き彫りになった。
【当保健福祉事務所(保健所)の今後の取り組み】管内の関係機関(医療、福祉、市町村、患者会等)との連携強化と支援体制の整備を図っていく必要がある。
(難病患者地域支援連絡会議、難病患者在宅ケア調整会議、医療相談事業等)

〔原因/端緒〕
介護疲れ〔妻が主に一人で難病(ALS)の夫を介護していた。〕

〔患者/死者/負傷者〕
死者1名 負傷者1名

〔症状/被害状況〕
夫-妻に包丁で刺され失血死
妻-無理心中を図り、腹部を包丁で刺して負傷。