アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)を含む一部の輸入製品に、劇物に指定された物質が含まれている事例があることが判明しました(令和5年7月19日)

参照元URL:https://www.mhlw.go.jp/haishin/u/l?p=M9SdCiq5n1Sq7JqhY

【照会先】
医薬・生活衛生局
医薬品審査管理課化学物質安全対策室
室長   稲角 嘉彦 (内2421)
専門官  池上 貴啓 (内2426)
係長   石川 裕介 (内2798)

(代表電話)03(5253)1111
(直通番号)03(3595)2298

報道関係者各位

アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)を含む一部の輸入製品に、劇物に指定された物質が含まれている事例があることが判明しました

この劇物を含有する製品の取り扱い事業者等は、速やかなご対応をお願いします

 アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)を含み、コンクリート用の化学混和剤として使用されている一部の輸入製品において、劇物である二酸化アルミニウムナトリウム(CAS登録番号:1302-42-7)が含まれている事例があることが判明しましたのでお知らせします。

 もし、アルミン酸ナトリウムを含有する製品を扱っている場合は、購入元・製造元に確認する等して、二酸化アルミニウムナトリウムの含有の有無を確認するようお願いいたします。

 また、劇物である二酸化アルミニウムナトリウムの含有が認められた製品については、毒物及び劇物取締法(以下「毒劇法」という。)上の劇物に該当するため、その製造業若しくは輸入業(販売や授与等の目的に限る。)又はその販売業を営んでいる方は、令和5年10月31日までに、毒劇法に基づき、毒物劇物営業者として自治体に登録申請する等の必要な対応をとるようお願いします。ただし、その販売業者や使用者に対して、劇物の性状や取扱いに関する必要な情報提供をすることは、できるだけ速やかにご対応いただきますようお願いします。

 加えて、本事案に関する事実確認を進めている中で、劇物の指定に当たって公示した意見公募手続に対する回答において、厚生労働省から示した考え方に誤りがあったことが分かりました。このため、その公示した回答を訂正することとします。
 平成30年の意見公募手続に対する回答に誤りがあったことについて、深くお詫び申し上げます。

 本事案の詳細(概要、対応等)につきましては、次頁以降をご確認いただけますようお願いします。

本事案の詳細

1.事案の概要:
 二酸化アルミニウムナトリウム及びこれを含有する製剤については、平成30年7月1日より、毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号。以下「毒劇法」という。)に基づく劇物に指定されています。
 今般、外部の事業者からの問い合わせを受けて状況を確認したところ、アルミン酸ナトリウムを含む以下の輸入製品において、劇物である二酸化アルミニウムナトリウムが含まれている事例があることが判明しました。

○ 劇物である二酸化アルミニウムナトリウムの含有が判明した輸入製品残コンクリート処理剤

・「RE-CON ZERO EVO」

・透水性コンクリート「オワコン」用混和剤「Y弾」

・コンクリート圧送車用の残コンクリート処理剤「PUMP」

※ 通常、劇物であるコンクリート用化学混和剤を使用してコンクリート製品を製造した場合でも、硬化後のコンクリート製品そのものは劇物には該当しません。

2.対応:
 アルミン酸ナトリウムを含有する製品について、製品中に二酸化アルミニウムナトリウムを含有している場合は劇物に該当します。アルミン酸ナトリウムを広く販売する目的で国内製造している事業者は現時点で確認できていませんが、仮に、これらを取り扱っている場合は、購入元や製造元に確認する等して、二酸化アルミニウムナトリウムの含有の有無を確認するようお願いいたします。
 劇物である二酸化アルミニウムナトリウムの含有が認められた製品については、毒劇法上の劇物に該当するため、現にその製品の製造業、輸入業又は販売業を営んでいる者においては、令和5年10月31日までに毒劇法に基づき、毒物劇物営業者として自治体に登録申請する等の必要な対応をとるようお願いいたします。ただし、その販売業者及び使用者に対して、劇物の性状及び取扱いに関する必要な情報(※)を提供することについては、できるだけ速やかにご対応いただきますようお願いいたします。
 また、二酸化アルミニウムナトリウムの含有が認められた製品を、製造・輸入・販売以外の用途で取り扱っている場合(その製品を実際に使用する等)については、毒劇法に基づき保管場所への「医薬用外劇物」の表示や、盗難・紛失を防止するための措置など、必要な対応を行うようお願いいたします。
 なお、これらの事項については、別途自治体や事業者団体等に周知を依頼しています。
 さらに、二酸化アルミニウムナトリウムの含有が確認されたアルミン酸ナトリウムを含む一部の製品を輸入・販売する企業に対して、毒劇法に規定する必要な対応をとるよう指導しています。

※ 毒物及び劇物取締法施行規則(昭和26年厚生省令第4号)第13条の12で提供しなければならないとされている情報で、具体的には取扱い及び保管上の注意等の情報です。

3.劇物指定に伴う意見募集の回答誤り及び再発防止策について:
 本事案に関する事実確認を進めている中で、二酸化アルミニウムナトリウムの劇物指定に当たって公示した意見公募手続における回答において、アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)は劇物に該当しない旨の考え方を示した誤りがあったことが発覚しました。本事案を受けて、当該公示した回答については、訂正することとしました。
 毒物及び劇物の指定の検討に当たって、CAS登録番号を用いて化学物質を特定し、当該番号に登録されている密度等の物理化学的性状を引用するとともに、その化学物質の毒性評価を行っています。このため、平成30年7月の劇物指定時には、二酸化アルミニウムナトリウムのCAS登録番号である「1302-42-7」を示した一方、アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)については、CAS登録番号が異なるという理由で「劇物に該当しない」旨の考え方を示していました。
 しかし、アルミン酸ナトリウム(CAS登録番号:11138-49-1)については、CAS登録内容を確認したところ「構造式不定」となっており、一つの物質を特定できる内容ではありませんでした。そのため、本来であれば当該CAS登録番号のみを以て、毒物及び劇物への該当性を判断できるものではないことから、訂正することとしました。
 毒物及び劇物の指定等に当たっては、従前より対応する物質のCAS登録番号を示し、毒物及び劇物指定令(昭和40年政令第2号。以下「政令」という。)で毒物及び劇物に指定した物質の構造式等を特定してきたところですが、CAS登録番号の登録内容が「構造式不定」となっている場合や、CAS登録番号の登録内容が反応混合物等で複数物質から構成されている場合等では、CAS登録番号のみで毒物及び劇物への該当性を判断することはできません。このため、再発防止の観点から、今後は毒物及び劇物の指定等の際に示すCAS登録番号は、政令で毒物及び劇物に指定した物質の構造式や名称等を特定するための参考情報と位置付けます。また、毒物及び劇物への該当性については、CAS登録番号のみで判断するのではなく、CAS登録番号の登録内容によっては、実際の製品の組成を確認する必要があることから、参考で示しているCAS登録番号以外でも、政令で指定した物質が含まれている場合には、毒物及び劇物に該当する可能性がある旨を周知することとします。

(意見公募手続回答掲載URL)
「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令(案)」に対して寄せられた御意見について
(平成30年6月29日掲載)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=495180032&Mode=1

■参考情報
□ CAS登録番号について
 米国化学会(American Chemical Society)の情報部門であるCAS(Chemical Abstracts Society)が化学物質を識別するために付与している番号であり、本邦でも化学物質の特定に頻用されています。基本的に1つの物質に1つのCAS登録番号が対応していますが、例えば反応混合物を1物質としてCAS登録番号が付与されることがあるなど、CAS登録番号のみでは物質の構造式等を特定できない場合もあります。

□ 毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)について
 毒物及び劇物取締法は、日常流通する有用な化学物質のうち、主として急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質を毒物又は劇物に指定し、保健衛生上の見地から、流通時の規制等を行っています。例えば、劇物については「医薬用外劇物」と表示するとともに、その譲渡に当たって当該劇物の性状及び取扱いに関する情報を提供すること等が必要となります。
 なお、同法を遵守することにより、劇物に指定された物質であっても輸入、製造、販売等は可能で、劇物の使用を禁止するものではありません。

□ 毒物及び劇物について
 毒物及び劇物は、いずれも少量で生体の機能に障害を与えるもので、毒物は劇物よりも相対的に毒性が強いものです。その指定に当たっては、急性毒性、皮膚に対する腐食性、眼等の粘膜に対する重篤な損傷眼等、その化合物のばく露経路における急性毒性の情報に基づき、判定基準に照らして毒物又は劇物の指定を行っています。
 新規に劇物指定する物質の判定基準としては、例えば強アルカリ性の物質のように、皮膚腐食性試験において「化学物質を皮膚に対して4時間暴露後、試験動物3匹中1匹以上に皮膚組織の破壊(表皮を貫通して真皮に至るような壊死)を生じる場合」等があります。

□ 二酸化アルミニウムナトリウム(CAS登録番号:1302-42-7)について
 政府が実施した「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」による分類において、二酸化アルミニウムナトリウムは「皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性」が区分1(毒性が最も強い区分)とされています。また、危険物輸送に関する国連勧告の危険物リストにおいて、アルミン酸ナトリウム溶液及びアルミン酸塩ナトリウムとして腐食性物質(クラス8)に分類されています。その他、急性毒性及び刺激性に関する有害性情報収集を実施したところ、二酸化アルミニウムナトリウムの水溶液のpHは13.5超でした。
 これらの情報を踏まえて、平成30年2月14日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会毒物劇物部会における審議の結果、二酸化アルミニウムナトリウム及びそれを含有する製剤を劇物に指定することが了承されました。
 なお、二酸化アルミニウムナトリウムの劇物の指定に当たって、これを含有する製剤も劇物に指定しています。通常「○○を含有する製剤」の解釈としては、製品等に、濃度を問わず意図的にその成分を加えたものを示しています。一方、原料等に劇物を含まれていたとしても、反応等によりその使用目的を失った物については、一般的にその成分の製剤とはみなしていません(例:二酸化アルミニウムを含有する混和剤を、生コンクリートに混ぜ合わせて硬化させた場合、固まった後のコンクリートは、二酸化アルミニウムナトリウムの製剤とはみなさず、劇物には該当しません。)。

□ アルミン酸ナトリウムについて
 アルミン酸ナトリウムはナトリウムと酸化アルミニウムから構成される化合物の総称であり、その中に劇物に指定されている二酸化アルミニウムナトリウム(NaAlO2)や劇物に該当しないアルミン酸三ナトリウム(Na3AlO3)等があります。
 「アルミン酸ナトリウム」に対応するCAS登録番号の1つに「11138-49-1」がありますが、この番号の登録内容を確認したところ、物質の構造式は不定とされており、ある1つの物質を特定できる番号ではありませんでした。

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