新型コロナウイルスゲノム解析結果について(2023年10月12日)ー茨城県

参照元URL:https://www.pref.ibaraki.jp/hokenfukushi/eiken/kikaku/covid19-genome.html

新型コロナウイルスのゲノム解析結果について(~2023年7月)

茨城県衛生研究所では、2020年3月の新型コロナウイルス感染症の流行が始まった当初より、県内で流行するSARS-CoV-2ウイルスの変異をモニタリングすることを目的とし、ゲノム解析検査を実施しています。

県内で流行するSARS-CoV-2ウイルス株は、アルファ株、デルタ株、オミクロン株と順に置き換わっており、2022年2月以降は県内で検出されるウイルスはすべてオミクロン株となっています(図1)。

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 図1 県内で検出されたSARS-CoV-2ウイルス株別・月別推移(2020年3月~2023年7月)

 

検出されたオミクロン株を系統別にみてみると、流行の主流はBA.1、BA.2、BA.5、XBBの順に置き換わっています(図2)。

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 図2 県内で検出されたオミクロン株系統別・月別推移(2022年1月~2023年8月,n=6,333)

*国の委託により民間機関で検査されたものを含む。

 

現在、WHOではオミクロン株の亜系統について病原性、感染性およびワクチン効果等から評価を行いVOI(注目すべき亜系統)、VUM(監視中の亜系統)図3のとおり指定しています。

 

VOI,VUM

図3 現在WHOで指定されているオミクロン株のVOI、VUM亜系統

 

2023年の県内におけるVOIおよびVUM(2023年10月現在)の検出状況は図4および図5のとおりとなっています。今後も引き続き、患者の発生状況と合わせ県内の流行ウイルスについてゲノム解析を行い、モニタリングを継続していく予定です。

VOI,VUMと流行曲線

図4 県内の定点当たり報告数と月別VOIおよびVUMの検出状況(2023年1月~7月,n=2093)

※国の委託により民間機関で検査されたものを含む。
※※2023年第18週以前の定点当たり報告数は過去の報告を元に集計された参考値(厚生労働省HPより)

 

VOI,VUMの割合

図5 月別VOIおよびVUMの検出割合(2023年1月~7月,n=2093)

2023年1月~7月の新型コロナウイルスゲノム解析結果について

・1月、2月は解析された株全体の約9割がBA.5、約1割がBA.2.75が占めていた。

・XBB系統の占める割合が3月以降増加しており、7月には全体の92.6%となった。

・WHOの指定によるVOI(注目すべき亜種)およびVUM(監視中の亜種)に基づき分類すると、7月にはXBB.1.16が全体の30.2%と最も多かった。

・EG.5(通称「エリス」)は5月から検出され始め、7月には全体の16.6%となり、その割合は増加傾向にある。

 

〇新型コロナウイルスゲノム解析結果月別一覧表(2023年1月~7月)(エクセル:23KB)

 

「新型コロナウイルス感染症サーベイランス速報・週報:発生動向の状況把握」(国立感染症研究所)

「Tracking SARS-CoV-2 variants(WHO)」

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