No.23008 スイセン類の喫食による食中毒ー大阪府

[ 概要報告 ]

分野名:自然毒等による食中毒
衛研名:地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所
報告者:衛生化学部食品安全課 新矢将尚
事例終息:事例終息
事例発生日:2022/8/16
事例終息日:2022/8/18
発生地域:大阪府藤井寺保健所管内
発生規模:1家族3名
患者被害報告数:3
死亡者数:0
原因物質:リコリン
キーワード:リコリン、スイセン類、球根、煮物、植物性自然毒

概要:
 2022年8月16日、大阪府内の消防から保健所に「球根様の物を調理して食べたところ、嘔吐等の症状を呈した家族3人(60歳代から80歳代までの男女)から救急要請があり対応中である」との連絡があった。翌日、保健所が、患者らへの聞き取り調査を実施し、里芋に混じった球根様の物等を回収した。調査の結果、患者の発症状況が類似していること、患者の症状がスイセン類の喫食による中毒症状と一致することおよび球根様の物がスイセン類の鱗茎であったことから、保健所はスイセン類の鱗茎を原因食品とする食中毒と断定した。また、回収した調理済み(煮物)および未調理の検体について検査を行ったところ、調理品の球根から361mg/kg、皮むき後の未調理品から428mg/kgのリコリンが検出された。

関連資料:
1) 山口瑞香ら,植物性自然毒一斉分析法の検討.第57 回全国衛生化学技術協議会年会講演集,180-181(2020)。2) 大阪府報道発表資料(2022 年8 月22日)有毒植物による食中毒の発生について.https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=45470

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