No.1601 仕出し弁当が原因となった腸管出血性大腸菌O157集団食中毒事例(福岡市)

[ 概要報告 ]
分野:細菌性感染症

衛研名:福岡市保健環境研究所

時期年月:2012/7/10 ~ 2012/7/19

地域:福岡県 

概要:
 2012年7月に腸管出血性大腸菌O157患者5名の感染症発生届が市内医療機関より管轄保健所に提出された。5名は同じ仕出し店の弁当を喫食していたため、この仕出し店の従業員検便、施設のふきとりおよび保存食について検査を実施したところ従業員1名からO157 H- (stx1、2)(以下O157)が分離された。その後、この弁当を喫食した別の4名からもO157が検出され、これら喫食者由来9株と、従業員由来1株の計10株のO157は、IS-printing Systemによる解析でISコードが一致した。また、これら10株のパルスフィールド・ゲル電気泳動法のパターンもほぼ同一であった。したがって、本事例は、菌の分子疫学的解析および保健所の実施した疫学調査の結果から、仕出し弁当を原因食品とする食中毒事例であることが判明した。