2.我が国の屋内ラドン濃度  
           
   全国3900家屋を対象にラドン・トロン・パッシブ分別測定器を使って屋内ラドン濃度を春夏期と秋冬期に分けて測定しました。また、平行してアンケート調査を行い、屋内ラドン濃度を修飾する要因を解析しました。実際に測定が完了したのは3432家屋です。
 屋内ラドン濃度は、ほぼ対数正規分布に従い分布します(図1)。季節変動を調整する前の値として、屋内ラドンの算術平均値と標準偏差は 15.2 ± 17.0 Bq/m3 でした。また、季節変動調整後の算術平均値と標準偏差は、14.3±14.7 Bq/m3 でした。この値は、屋内ラドン濃度が公表されているOECD29カ国中、下から3番目に低い値です(表1)。
 我が国では、WHOの参考レベルである100 Bq/m3 を超す家屋の割合は、0.1% と推計されます。

論文

A nation-wide survey on indoor radon from 2007 to 2010 in Japan.
 
           
図1    表1 
    
国名 算術平均 国名 算術平均
オーストラリア 11 ルクセンブルグ 110
オーストリア 99 メキシコ 140
ベルギー 48 オランダ 23
カナダ 28 ニュージーランド 22
チェコ 140 ノルウェー 89
デンマーク 59 ポーランド 49
フィンランド 120 ポルトガル 62
フランス 89 大韓民国 53
ドイツ 49 スロバキア 87
ギリシャ 55 スペイン 90
ハンガリー 82 スウェーデン 108
アイスランド 10 スイス 78
アイルランド 89 英国 20
イタリア 70 米国 46
日本 14
  
 
  屋内ラドン濃度を確率プロットという形式で表示したものです。縦軸は、対数目盛表示、横軸は 累積度数を示します。  データが公表されているOECD参加国の屋内ラドン濃度。(WHOラドンハンドブックより、日本のデータを更新して収録)。