3.屋内ラドンの修飾因子  
 
 屋内ラドン濃度は、様々な要因で変化します。今回、私たちはラドン測定と平行してアンケート調査を行い、屋内ラドン濃度の修飾因子の解析を行いました。

地域: ラジウムを多く含む土壌や岩石の多い地域の住宅は、そうでない地域の住宅と比較すると、屋内ラドン濃度は高くなります。
季節: 冬季は、窓の開閉が減り、また暖房により屋内の気圧が外気に較べて一層下がるため土壌からのラドンガス吸い上げ効果が増し、屋内ラドン濃度は上昇します。
建造物の種類: 木造住宅に較べると、鉄筋コンクリート住宅は屋内ラドン濃度が高くなります。 
建造物の年代: 古い住宅と新築の住宅を比較すると、木造でも鉄筋コンクリート住宅でも、古い住宅の方が屋内ラドン濃度は高くなります。古い住宅の方が床の隙間からのラドンガスの侵入が多いこと、またラドンを放散する建材が昔使われていたなどの理由で屋内ラドンが高くなる傾向にあります。ところで、H15年に建築基準法が改正され、換気率の改訂がありました。そこで、H15年以降に建造されたものと、それ以前15年間の時代区分で屋内ラドンの変化を比較しますと、H15年前後で12%前後の屋内ラドン濃度の低下が観察されました。
換気: 毎日規則的に窓の開閉を行っている家の方が、屋内ラドン濃度は低くなります。