4.屋内ラドンの低減化対策  
 
 屋内ラドンの低減化手法に関しては、WHOハンドブックの第3章やEPAのラドン消費者ガイドを参照して下さい。また、放射線医学研究所では、ラドンの低減に関わる対策研究PDF(PDF 981 kB)がなされています。

 我が国では、WHOの参考レベル100 Bq/m3 を超す家屋は全体の 0.1 % (約 5 万世帯)と推計されます。土壌や岩石中のラドン濃度の高い地方では、1〜4% の家屋がこの参考レベルを超すと推計されます。
 
 WHOは、既築住宅のラドン低減の手法として、幾つかの手法を紹介しています。能動的あるいは受動的土壌減圧法という本格的な対策をはじめとして、床下狭空間の能動的ないし受動的換気といったより簡便な対策、さらには居住空間の受動的ないし能動的陽圧換気などです。高いとはいっても我が国の屋内ラドン濃度は、大部分が200 Bq/m3 以下です。このレベルであれば、毎日窓を開けて受動的換気を行う、それが不可能な場合には、換気口に換気扇を取り付け、陽圧の換気(外気を取り込む換気)を行うことで、相当な屋内ラドンの低減が期待できます。排気する換気扇は、しばしば土壌からのラドンガス吸い上げ効果を発揮しますので、ラドン対策としてはお勧めできません。冷暖房効率を損ねないで換気をするには、熱交換型の換気システムが理想的です。

 最近の省エネ住宅は、気密性が増していると共に、シックハウス対策などの目的で換気率も改善しています。気密性の向上は、一般的には土間下や床下狭空間からのラドン侵入を防ぐ効果があります。しかし、設計によっては下水道やガス管などの配管スペースの遮蔽が不十分で、その隙間を介してラドンガスが侵入する可能性もあります。このような場合、換気を怠るとラドンガスが屋内に滞留することにもなりかねません。換気には気をつけて下さい。