【管内情報】 【保健所健康危機管理事例】ホテルで発生した大規模食中毒にかかる原因究明及び再発防止対策について(大阪府)

〔作成者〕大阪市保健所
〔発生年月日〕2006/1/4
〔概要〕平成18年1月7日、Aホテルから「1月4日新年互礼会において会食したグループ(参加者約140名)から嘔吐下痢等の食中毒様症状を呈した者がいる」との届出があった。調査の結果、Aホテルにて1月4~8日に23グループ1692名が会食しており、そのうち6階宴会場を利用した5グループ530名中の157名が嘔吐下痢及び発熱等の食中毒様症状を呈していたことが判明した。有症者の検便の結果、5グループ54名よりノロウイルス(全てGII)が検出された。調理従事者の検便ではノロウイルスは検出されず、宴会担当者2名がノロウイルスに感染していたが、その経路及び食中毒への関与については不明である。食器洗い担当者1名からノロウイルスが検出されたことについては、発症時期や休暇取得状況から関連がないと推察された。また、発症が確認されたのは全て6階宴会場を利用し宴会料理を喫食した者であり、その6階宴会場の空調機のフィルター及び絨毯からノロウイルスが検出された。今回の事例については、何らかの要因で宴会場の絨毯がノロウイルスに汚染され、絨毯より舞い上がったウイルスが食品を汚染し、また、舞い上がったウイルスが空調機により宴会場に給気され宴会料理を汚染し食中毒が発生したと推察される。
〔原因/端緒〕ノロウイルスGII(ホテル提供の食事)
〔患者/死者/負傷者〕喫食者530名 うち発症者157名
〔症状/被害状況〕下痢 発熱 腹痛 嘔吐