【海外情報】 【海外感染症情報】アメリカ(メキシコ・アメリカ・カナダ)豚インフルエンザ(平成21年4月24日)2009/07/01

説明 情報源:WHO

地 域:アメリカ

 国 :メキシコ・アメリカ・カナダ

感染症:豚インフルエンザ

病原体:A/H1N1型豚インフルエンザウイルス

内 容:
アメリカ合衆国は、7名の豚インフルエンザ(H1N1)確定患者(5名:カリフォルニア州、2名:テキサス州)と9名の疑い患者が発生したことを報告した。感染が確認された7名については、全員軽度のインフルエンザ様(ILI)症状を呈しており、短期入院を要したのは1名のみであった。死者はでていない。
 一方、メキシコ政府は流行が三度にわたり(個別に)発生していることを報告した。連邦区においては3月18日よりILI症状を呈する患者の把握といった監視対策が始まっている。患者数は4月に入ってから漸増しており23日時点で854名を超える肺炎患者が首都で発生している。これらのうち59名が死亡している。メキシコ中部のサン・ルイス・ポトシ州では24名がILI症状を呈しており3名が死亡している。アメリカ合衆国との国境付近の都市メヒカリからは4名のILI症状の患者が発生しているが死者は出ていない。
 メキシコで発生した患者のうち18名については、A/H1N1型豚インフルエンザウイルスの感染がカナダで確認され、うち12名についてはカリフォルニアで発生した患者から検出されたA/H1N1ウイルスのタイプが同一であることが確認された。
患者はむしろ健康な成人が多い。インフルエンザは通常、小児や老人に起こることが多いが、逆にメキシコでのILI症状については小児・老人といった年齢層はむしろ影響は少ない。
 動物由来のインフルエンザウイルスがヒトに感染し、ウイルスの地理的な拡散により複数のコミュニティで流行することに加えて通常発病することが少ない年齢層が主に感染を受けるという意味においては今回の出来事は重大事である。
今回の流行で確認されたA/H1N1型豚インフルエンザウイルスはこれまでにヒトや豚の感染が確認されなかった。ウイルスは今のところオセルタミビルに感受性があるが、アマンタジン、リマンタジンには耐性を示している。

(情報提供)
関西空港検疫所
FORTH(海外旅行者のための感染症情報)

公開日:2009年07月01日

カテゴリー: 感染症