◆各国で小児の急性肝炎が報告されています

【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.463(2022年5月13日)

2022年4月15日、世界保健機関(WHO)は、2022年1月以降、英国において10歳未満の小児の原因不明の重篤な急性肝炎事例の発生を報告しました。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、本年5月10日時点で、27カ国で約450例の報告があったとされています。
本年5月3日時点における英国からの報告では、年齢の中央値は3歳、性別は50%が女性で、検査が行われた126例中91例(72%)でアデノウイルス、97例中11例(11%)で新型コロナウイルスが検出されたましが、
現時点では、原因は明らかになっておらず、現在も原因特定のための調査が行われています。
欧米で報告されている小児の原因不明の重篤な急性肝炎の発生を踏まえ、事務連絡「欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)」(令和4年4月27日付厚生労働省健康局結核感染症課事務連絡)を発出しました。
また、これまでに暫定症例定義(※)の②「可能性例」に該当する症例が、2021年10月1日から2022年5月12日10時までの期間に、12例報告されています。
国立感染症研究所の分析結果によると、昨年10月1日から本年5月5日までの期間における国内の入院症例7例については、3例は男性、4例は女性、年齢の中央値は8歳、死亡例や肝移植に至った事例はなく、
5例が既に退院、アデノウイルスのPCR検査の結果が陽性であった事例は1例(※)、新型コロナのPCR検査の結果が陽性であった事例は1例であったと報告しています。
引き続き、各国政府やWHO専門家等とも連携しつつ、国内外の状況を注視しながら、情報収集に努めてまいります。

・世界保健機関(WHO). Disease Outbreak News. Multi-Country - Acute, severe hepatitis of unknown origin in children. 23 April 2022 (2022/04/23)
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON376

・欧州疾病予防管理センター(ECDC)Epidemiological update: Hepatitis of unknown aetiology in children. (2022/05/11)
https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/epidemiological-update-hepatitis-unknown-aetiology-children

・国立感染症研究所 複数国で報告されている小児の急性肝炎について (第2報) 令和4年5月10日
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-lab/2521-cepr/11131-hepatitis-children-510.html

・厚生労働省 事務連絡「欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)」(令和4年4月27日付)
(自治体宛) 欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)
       https://www.mhlw.go.jp/content/000934970.pdf
(日本医師会宛) 欧州及び米国における小児の原因不明の急性肝炎の発生について(協力依頼)
       https://www.mhlw.go.jp/content/000934971.pdf

・厚生労働省 小児の原因不明の急性肝炎について(令和4年5月13日報道発表)
サイト内リンク https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202205.html

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