No.1117 水道水のpH異常(東京都)

[ 概要報告 ]
分野:その他

衛研名:東京都健康安全研究センター

時期年月:2004/4/12 ~ 2004/4/16

地域:東京都八王子市 

概要:
東京都立K高校において、校内の給水栓から採水した水道水を当所で測定したところpHが8.9-9.1と高く、水道水水質基準値を超えていることが判明したため、飲用停止の指示がなされた。この水道水は簡易専用水道水であることから、貯水槽の汚染が疑われたため、清掃を行ったがpHは改善されなかった。一方、水道本管からの流入水のpHを測定したところ9.4と高く、本管に原因があるものと推定された。K高校の所在地は当該水道本管の最末端に位置していること、またこの本管は昭和52年に敷設された古いモルタルライニングであることなどから、末端部で滞留していた水に古くなったモルタルからアルカリ成分が溶出することにより、水道水のpHが高くなったものと考えられた。対応策として、東京都水道局は本管末端部にバルブを設置し水道水をすべて排出させた。その措置により、K高校給水栓の水道水のpHは7.2―7.4で基準値内となった。