No.1644 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)死亡事例の発生について

[ 詳細報告 ]
分野名:ウィルス性感染症
登録日:2016/03/08
最終更新日:2016/05/27
衛研名:宮崎県衛生環境研究所
発生地域:宮崎県全域
事例発生日:2014年4月3日
事例終息日:2014年8月2日
発生規模:5名
患者被害報告数:5名
死亡者数:5名
原因物質:重症熱性血小板減少症候群ウイルス
キーワード:重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)・発熱・血小板減少・白血球減少・肝機能障害・意識障害・マダニ

背景:
SFTSは2012年に宮崎県で初めて発生し、患者数及び死者数とも国内上位となっている。
また、本県ではSFTSと同じくマダニが媒介する日本紅斑熱の発生も認められるので、鑑別が必要となっている。

概要:
2014年度に入り合計5件5名の重症熱性血小板減少症候群(以下SFTS)による死亡事例が発生している。患者が回復した事例を含めると本年度8例の発生となる。
5名の死亡患者は血小板減少(5名平均47800/μl)・白血球減少(同1478/μl)、消化器症状、肝機能障害、一部で意識障害を呈し発病から死亡まで平均8.8日であった。
8名の患者全員が農作業、散歩などで畑や草むらに入っていた。

原因究明:
原因はSFTSVであるが、本県が国内有数の発生県である原因については不明な点が多いため2014年度から患者に対する疫学、県内におけるマダニの生息及びSFTSV遺伝子保有率等の調査研究を行っている。

診断:
血清を用いたPCR法(遺伝子増幅法)にて定性検査を実施し陽性の場合、国立感染症研究所にて確認検査を行う。

地研の対応:
当研究所では、SFTS疑い例が発生した場合、PCR法による検査を実施し、陽性である場合は管轄保健所へ速報という形で連絡を行うとともに、検体を国立感染症研究所へ送付し、確認検査を依頼する。今回の5名の事例においても同様の対応を取った。

行政の対応:
SFTS疑い例発生時には医療機関で採取された血液(血清)、尿、咽頭拭い液を当研究所へ搬送するとともに、医師、患者本人、患者家族などに対し聞き取り調査を行う。
また、当研究所での検査が陽性であった場合、医療機関及び県感染症対策室へ連絡を行う。

地研間の連携:
厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業「SFTSの制圧に向けた総合的研究」に参加し、地研間及び国と情報交換などを行っている。

国及び国研等との連携:
SFTS連携会議等で情報交換を実施。(【地研間の連携】参照)

事例の教訓・反省:
SFTSは早期の適切な治療が有効とされているため、SFTSか否かを判定することが必要であると考えられる。また、同疾病はその初期においては風邪と類似した症状を呈することがあり、発熱、疼痛、倦怠感等風邪様症状が出た場合にも、早期に受診するよう周知が必要であると考えられる。

現在の状況:
現在本県では同疾病に関する調査研究を患者、疫学調査面、媒介生物のダニ類に関する面など様々な面から計画し、一部実施している。この中には患者情報が含まれることもあるため、必要事項については倫理委員会の審査を仰ぐべく倫理委員会設置の準備も同時に行っている。

今後の課題:
調査研究で得た成果の県民、医療機関への情報提供の方法。

問題点:
同左

関連資料: