■特 徴

■う蝕予防効果

■実施方法


■普及状況






低年齢児におけるフッ化物配合歯磨剤の利用

 歯のフッ素症発現のリスクは,幼児期(6 歳以下)に集中しています。特に,審美的に問題となる上顎中切歯が歯のフッ素症にかかりやすい臨界期は1 歳から3 歳の間です。この時期にフッ化物の摂取が過量にならないようにする注意が必要となります。
水道水、錠剤、食塩などから必要なフッ化物を摂取する全身応用が行われている地域で、フッ化物配合歯磨剤を食べてしまったり、毎回誤って飲み込んでしまう場合に、過量のフッ化物摂取ということになってしまいます。そこで、全身応用の普及している国では、この年齢層の幼児に対して、フッ化物配合歯磨剤の使用量、ブラッシング後のすすぎ方、歯磨き後の口腔内残留量などに細心の注意が払われています。米国で販売される歯磨剤の箱には,2歳から6歳児については,ピーサイズ(グリーンピース大)の歯磨剤を使用すること,歯磨きを大人が見守り,嚥下を最小限にするように,また,2歳以下の使用については医師,歯科医師に相談すること,と注意書きが記載されています。
わが国では,水道水のフロリデーションなど全身応用がまだ実施されていませんので,過度な心配は必要ありません。

○吐き出しやすすぎができない幼児の場合のフッ化物配合歯磨き剤とその使用量
 歯磨き後のブクブクうがいができない1〜3歳の低年齢児用のフッ化物配合歯磨き剤として、泡状のフッ化物配合歯磨剤(商品名Check-Up foam;F濃度950ppm、研磨剤無配合),フッ化物スプレー(商品名レノビーゴ;F濃度100ppm、研磨剤無配合)があります。毎日の寝かせ磨きの後に歯面に“塗布するように”応用します。


○吐き出しやすすぎのできる幼児の場合の使用量
1回の歯磨きに使用するフッ化物配合歯磨剤の量は,子ども用歯ブラシの半分の量(ほぼグリーンピース大の量に相当)が適量です。
幼児の場合には,歯磨剤の吐き出しが上手にできない場合も考えて使用量を決めます。わが国のフッ化物配合歯磨剤は1,000ppm以下と規定されているので,子ども用歯ブラシの半分(約0.25g)の量に含まれるフッ化物量は0.25mg以下になります。この量ならば全部飲み込んでしまっても安全な量の範囲におさまっているからです。
 6歳未満の幼児の場合は、フッ化物配合歯磨剤を安全に、そして効果的に使用するために以下のことを心懸けましょう。
(1) フッ化物配合歯磨剤は,1 回の歯磨きに子ども用歯ブラシの半分(グリーンピース大;0.25g)の量を使う。
(2) 幼児が自分で磨く場合は,保護者がフッ化物配合歯磨剤を子ども用歯ブラシにつけてやり,歯磨きを見守る。
(3) 歯磨剤の吐き出しやぶくぶくうがいの練習をする。ただし,すすぎ過ぎないように2〜3回にとどめる。
(4) 直後の飲食は避ける。








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