研究代表者 欅田尚樹
謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は、格別のご交誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、かねてより私どもで研究事業を進めてまいりました「緊急被ばく医療が必要とされるような事故発生時におけるトリアージのための線量評価手法の確立に関する研究」の成果発表会を来る平成30年2月23日(金)に国立保健医療科学院において開催することになりました。
緊急被ばく医療体制の整備として、事故発生時における対象者の優先度を決めた選別(トリアージ)のための線量評価に関する手法の確立が課題となっています。とりわけ、多くの対象者が発生するような事態において短時間で過度の侵襲も与えずに、0.5-1.0Gy以上の放射線被ばくの有無を検査する方法の確立が求められています。本院はヒトを対象として線量推計に用いることができるLバンド電子常磁性共鳴測定法(EPR)を利用した研究を進めてまいりました。
この他、電子スピン共鳴法を使った関連技術としてX bandのEPRを使った少量の血液で検査できる抗酸化能測定キットを使った研究、リン酸化型ヒストンH2AX(γ-H2AX)を用いたDNA損傷モニタリング法やミトコンドリア酸化損傷を指標生物学的手法による線量評価の検討を進め、国内における実施可能性、汎用性について実証的な研究を行ってまいりました。
緊急時においても線量推計の信頼性を高めるためには、複数の手法による評価方法を確立する必要があり、これまでの開発されてきた手法に加えて、本研究班で研究を進めてきた物理学的な線量評価法と生物学的な線量評価法と場面に応じて組み合わせることで評価の質を向上させうるものと考えております。
つきましては、皆様方よりご批評ご批判を頂きたく、下記の要領で成果発表会を開催したいと存じます。 諸事ご多用のことと存じますが、何卒ご来臨を賜りますようご案内申し上げます。
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