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連携推進のためのヒント~研究成果より

連携推進のためのヒント
~研究成果より

連携ステップ図

上の図は、本研究班で収集した事例分析から、連携を推進するためのポイントを整理した図です。4つのフェーズの中に「8つのステップ」と、「2つの土台」に整理しました。

各ピクトグラムをクリックすると、各フェーズで特徴的であった事例をみることができます。

位置についてヨーイ

まず、「フェーズ0」(紫)ですが、これは地域保健活動にはかかせない地域診断の部分にあたります。日常業務の中で、この地域の現状や課題や他分野の経験などをまとめて、常に「ヨーイ(用意)」をしておくステップです。

風をつかむ 根拠を集める 仲間をつくる

次は「フェーズ1」(水色)です。ここに3つのステップが含まれます。まずは住民や政策の動向に注視しながら、動き出すための良い機会をとらえる「風をよむ」ステップ、実際に連携によって、解決をしたい課題にむかって「根拠を集める」ステップ、誰が仲間になってくれるのか、誰に仲間になってもらうのがよいのか、インフォーマルですが、目的に向かって「仲間づくり」を強化するステップです。

協議組織をつくる ツールをつくる

続く、「フェーズ2」(緑)は、その動きを公式化するステップにあたります。正式な「協議組織」をつくり、ときにはその組織で共有できる「ツール」などの作成を試みるステップです。

育てる・促す 評価・フィードバック

最後に、フェーズ3(オレンジ)では、組織や活動を「育て、促し」、連携によって、その活動がどのように変化したかを「評価、フィードバック」するステップです。 

俯瞰的立場の職員 人材育成の意識

また、それらのステップを可能とする土台(ピンク)として、鳥の目のように他部署や他組織、また地域の動きを広く観察する「俯瞰的立場の職員の存在」と、職員の異動、次世代への伝承を考慮して「人材育成の意識」が必要と考えられました。

本研究で取り上げた事例でも、決してすべてのステップを踏んでいたわけではなく、またステップを順番通りに進んできたわけでもありません。まずはできるところから一つずつ実施する ―その結果が、ここに提示した連携事例のストーリーに展開していったと考えます。

現代の社会では、地域間の違いが大きく、ここに取り上げた事例以外にも、その地域に合った連携推進を展開している地域がたくさん存在します。ぜひ、本研究班で提示したモデル図と事例を参照しながら、住民や地域、他部署や他組織との連携の中で、どこのステップが自分たちの強みであるかを確認してみてください。それらが、今まで手が付けられずにいた新たなステップを進めるための手立てになることを願います。

研究成果

市町村保健センター連携機能ヒント集(こちらからダウンロード
厚生労働科学研究補助金報告書(平成30年度報告書、令和元年度報告書)