特定健診・特定保健指導への歯科関連プログラム
  導入マニュアル

概 要
 歯科疾患は食生活に強い影響力を有し、特定健診・特定保健指導に歯科関連プログラムが加わり、共通リスクファクターアプローチ(Common Risk Factor Approach)が行われることにより、より高い効果が得られることが期待される。
 特定健診・特定保健指導に歯科関連プログラムを導入するメリットとして、1メタボ改善に向けた保健指導が強化される、2咀嚼に支障を来している人に歯科治療を勧める機会が得られる、3歯科保健行動は行動変容が比較的容易で、生活習慣改善に向けた弾みをつけることができる、4歯周病改善によるメタボ改善効果が期待できる、の 4 点が期待できる。
本マニュアルでは、モデルプランを一律にするのではなく、【梅】【竹】【松】の 3 段階とした。【梅】は全国共通で、特定健診の「標準的な問診票」に歯科に関する質問を 2 つ加えるという案を示した。【竹】と【松】は地域オプションで、【竹】は歯科関連の質問紙と唾液検査が【梅】に加わったもので、これに口腔診査が加わったものが【松】である。
この受け皿を、1特定保健指導、2歯科保健指導などに整理した。いわゆる歯科保健指導は1の特定保健指導の中でも行われるので、ここでは2は歯科に特化した事業を意味する。下図は、モデルプランの全体像を示したものである。
 本マニュアルにおいて歯科関連プログラムが特定健診・特定保健指導に導入された事例として示した 4 事例のうち、三重県 4 市町の事例は【梅】、香川県の事例は【竹】、三重県菰野町と島根県邑南町の事例は【松】に相当するものである。


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また、本マニュアルでは、 歯周疾患検診等の既存の成人歯科保健事業と特定健診・特定保健指導事業との連携を図ることが重視したが、現段階では実際に行われている事例が少なく、今後が期待される。
 以上のプログラムの実践のためには人材育成が重要で、事業を担当する保健師や管理栄養士等については歯科関連プログラム導入の理解を得ること、また歯科専門職については 生活習慣病に対応した保健指導のノウハウを習得することが重要である。

マニュアル全文(PDF 約1MB)[読む]